上根来からの百里ヶ岳


梅雨の合間に晴天が続いていたので、滋賀県と福井県の境にそびえる百里ヶ岳を福井県小浜側の上根来(カミネゴリ)からの周遊コースを歩いてきました。

日:2008年6月14日
天候:晴れ
同行者:日野夫婦+2名
コース:上根来の鯖街道入口(8:18)・・・池の地蔵(9:30)・・・根来坂峠(10:08)・・・百里ヶ岳(11:15--12:00)・・・木地山峠(12:45)・・・上根来(14:10)・・・鯖街道入口(14:25)

山歩きデータ
歩行距離:約10.5km
累積標高差:903m
行動時間:約6時間(登り3時間 下り2時間15分 昼食45分)

姫路から舞鶴道経由で小浜西ICで降り、R27号の東舞鶴駅前信号を右折し、奈良のお水取りに送る水の採取で有名な「鵜の瀬」を過ぎ、細い山道を登って行くと、静かなたたずまいの山村「上根来カミネゴリ」に到着する。予定では上根来から木地山峠・・百里ヶ岳・・根来坂峠・・鯖街道・・・上根来の時計回り周遊コースを歩く予定ですが、駐車予定のお墓場所はすぐに解ったが登山口が見あたりません。そのまま林道をゆっくり車で移動していると、牛舎跡まで来てしまい、登山口を過ぎていることが明確です。戻って登山口を探し直すのも面倒なので、少し先の鯖街道入口の登山口から予定の逆コースを歩く事にしました。
鯖街道入口からは歩きやすい杉林の中を40分登ると林道に飛び出す。この林道を約700m程度歩くと、また鯖街道に入り、少し歩くと「池の地蔵」が祭られた井戸がありました。井戸の横には綱が付けられたバケツと柄杓が置いてあるので、井戸の蓋を一部ずらして井戸水を酌んで見ました。井戸の深さは5m程度で満々と水が蓄えられており、酌み上げた冷たい綺麗な水は飲めました。
この辺りには沢がないので、その昔、京都方面に鯖を運んでおられた方には本当に貴重な水だったのだろうと思われます。

酌み上げた水はこんなに綺麗な水です。
お地蔵さんが置かれているのは、昔の人の感謝の気持ちの現れでしょう。
鯖街道に入ると見通しのきく綺麗なブナ林が続きます。百里ヶ岳の福井県側は本当にブナが多く、周回したコースではずっとブナ林が続いていました。誰かが「有力な政治家を輩出している県は林業の為に税金が投入され、杉林ばかりになってしまったが、そうでない県は自然林が残っている。」と言っていましたが、此処でも滋賀県側は植林の杉林が目立ちますが、福井県側は明るいブナ林が見事です。根来坂峠には2時間弱で到着しましたが、昔の街道は急な坂道も無いので、疲れもほとんどなく到着する事ができました。
根来坂峠からの稜線は「高島トレイル」を歩きます。この高島トレイルは滋賀県の高島市と福井県の県境となっている中央分水嶺の80Kmが設定されており、この全コース(スルーコース)を歩くのが最近話題になっています。
頂上には登山口から約3時間で到着。頂上で単独テント2泊で高島トレイルを歩いておられる方とお会いしました。また地元のご夫婦の方とは昼食をご一緒し、百里ヶ岳のコースや、小浜のお土産に付いても色々教えて頂きました。
私が、「この百里ヶ岳は一等三角点があり、名前も百里が見渡せると付いているが、頂上広場の周囲は木立のため景色が見えない。看板に偽りが有る」と冗談を言ったら「百里四方から百里ヶ岳が見えるの意味」と軽く交わされてしまいました。「以前の頂上はもっと木々に覆われており、景色を見るためには木に登っていた。」と冗談交じりに話をされていました。この方から木地山峠から上根来に下る道は少し荒れているので注意しながら行くよう忠告を受け、頂上でお別れしました。
頂上からは快適なブナの尾根を約45分で木地山峠に到着しました。この峠も十字路になっており、お地蔵さんがありました。
この峠を直進すると825mのピークを経由する高島トレイルです。左折すると上根来に下れます。ところで、道標には右折は木地山へと書かれていますが、道はどんどん下っており、その方向には山が見あたらないので木地山って何処に有るのだろうと思っていました。帰宅した後、本を見ていると木地山は山ではなく部落の地名でした。木地山へ下る道だったのです。納得
 木地山峠から上根来への道は古い街道の割に荒れた所があり、テーピングマークや時折現れる標識を見落とさないよう歩かねばなりません。
場所によっては、杉林の急斜面をトラバースするように道が付いているのですが、靴一足を置ける幅しかないような場所もありました。特に上根来手前の沢から部落へ続く道は、元々の街道ではなく最近付けられた様で杉林のトラバース道は結構ヒヤヒヤヒヤする道です。此処にはテーピングも見あたらなかったので道を間違えたのかもとも思いました。部落の近くになると登山道とは思えない草に覆われた田道の様になり、神社の前を通り過ぎると右写真の家の庭に飛び出してきました。庭先には登山口の標識が有りましたが、此処から登る時は出だしから道に迷う可能性のある登山道です。(この家の左側から神社前を通り登っていく)
本日、私達がここまで車で来たとき、丁度この前で対向車の軽トラとすれ違う為に写真(中央写真)の郵便ポストの有る民家側に車を寄せた為、この登山口を見落としたのです。 こちら側から登らなくて良かった!
同行者にはここで待って頂き、私は約1Km(15分)歩いて鯖街道の登山口まで車を取りに行ってきました。

感想
上根来からの周遊コースは歩行距離が10Kmを超えるロングコースでしたが、急斜面の道はほとんどなく、光の筋が差し込む気持ちの良いブナ林や、鯖街道等の歴史にふれる道を歩いていると、疲れも気にならず、周回コースが歩けた満足度が大きい山歩きになりました。


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