残雪の北八ヶ岳 2009年ゴールデンウィーク


ゴールデンウィークに山歩き仲間と残雪の北八ヶ岳を3日間歩いてきました。3日間とも晴天に恵まれ絶景と温泉を楽しんできました。

日:2009年4月29日〜5月2日(初日は移動のみ)
天候:移動日+山中3日間ともに晴天
同行者:日野家の山歩き+3名
コース
1日目 姫路西IC13:00発 ==諏訪IC---下諏訪「片倉館」温泉入浴---麦草峠(車泊+テント泊)
2日目 麦草峠・・・雨池・・雨池峠分岐・・雨池峠・・縞枯山・・展望台(昼食)・・茶臼山・・・大石峠・・・麦草峠・・丸山・・・高見石小屋(泊)
3日目 高見石小屋・・・中山・・中山峠・・・東天狗岳・・根石岳・・根石岳山荘(昼食)・・箕冠山・・夏沢峠・・・本沢温泉(泊)
4日目 本沢温泉・・・みどり池分岐・・中山峠分岐・・しらびそ小屋・・稲子湯--(タクシー)--白駒池駐車場・・白駒池・・麦草峠--明治の湯温泉(入浴)---諏訪IC===姫路西IC(20:00着)

入浴した温泉
1.下諏訪温泉 片倉館    (炭酸鉄泉)
2.本沢温泉 露天風呂「雲上の湯」 (酸性含硫黄カルシュウム・硫酸塩泉)   
3.本沢温泉 内湯「苔桃の湯」  (カルシウム・ナトリウム・硫黄炭酸水素塩泉)
4.明治温泉    (鉄炭酸泉)

山歩きデータ

歩行距離 登り累積標高差 下り累積標高差 行動時間(休憩・昼食含む)
1日目 12.1Km 757m 617m 約7時間30分
2日目 7.7Km 802m 653m 約7時間15分
3日目 8.5 Km 186m 807m 約4時間15分



4月29日(移動日) 第1日目 (4月30日) 晴れ
片倉館温泉 麦草峠の無料駐車場
姫路から高速道路を約450Km走行し、諏訪湖の湖畔にある「片倉館」温泉にPM7:00頃に到着しました。ここは洋風建築で大理石の千人風呂が有り、湯船の底には玉砂利が敷き詰められています。この片倉館の温泉に浸かって移動の疲れをとり、夕食後に麦草峠に向かいます。 PM10時頃に麦草峠の無料駐車場に到着。早速テントを設営し、寒さ対策をとってテントと車に分かれて眠りにつきました。朝の気温は−5℃でしたが、厚めの寝袋や毛布の寒さ対策をしていたおかげで眠る事ができました。
麦草ヒュッテ 茶水の池
駐車場でAM5:00頃に目が覚めたので、コースの確認に散歩がてらに麦草峠の方に歩いていくと、道路から少し入った所に麦草ヒュテが有りました。まだ朝も早いのでひっそりしていますが、晴天の青空に山小屋の姿が映えています。 麦草峠から茶臼山方面に行くとすぐに「茶水の池」が有ります。峠から100m程で雨池への分岐が有り、雨池へはこの池の周囲を囲んでいる木道を進んで行きます。
森の中には雪がたくさん残っていますが、雪は締まっており、アイゼンが「キシュ・キシュ」と音をたてて気持ちよく歩けます。
雨池 雨池峠分岐
「茶水の池」から北八ヶ岳らしい針葉樹の森を緩やかに下って行くと、双子池方面への林道に合流します。林道を少し歩くと雨池への分岐があり、麦草峠から1時間程度で雨池に到着しました。
ここまで全く人には会いませんでした。
ここの景色もすばらしく、西側には雨池を背景に北横岳、南方には天狗岳の頭も見えました。
雨池を反時計回りに半周したのち、双子池方面への林道を目指して登って行くのですが、道標やテーピング等のマークが見あたりません。足跡が有ったので、そのトレースを伝って行ったのですが途中にもマーキング等は見あたらず、トレースも少し右往左往しているかの様に見えました。7年前の同時期に歩いた事が有るのですが、どうも様子が違います。とはいえ他にルートも見あたらないのでそのままトレースしていくと無事に林道にでました。この林道を15分程度歩いて行くと、見覚えのある雨池峠への登り口に到着し、正直ホットしました。
雨池峠まで登ってくると、縞枯山方面に方向転換して稜線を上って行きます。残雪時の登山道はどこも葛折りにはなっておらず、ひたすら直線的に付けられているので登りは結構堪えます。休憩がてらに振り返ると、北横岳方面への雨池山がどっしりとしている。雨池山へも写真にも写っている様に、ここも直線的な道が急角度で頂上へ導いています。 樹間にある「縞枯山」頂上を通り過ぎ、緩やかな稜線を歩いて行くと、ルートから少しはずれた所に岩場のピークがあり、絶好の展望台となっています。この展望台の南方にはこれから越えていく「茶臼山」や南八ヶ岳のアルペン的な山姿が手に取るように見えました。
この岩場のピークで絶景を見ながら昼食です。山好きには堪えられない喜びです。ここでは岐阜からの女性単独者とお会いし、話が弾みました。 茶臼岳の頂上も樹間の中にあり、展望は有りませんが、100mほど頂上からそれた所に展望台のピークがここにも有ります。
ここは風がきついのか、先週に降った雪が「エビの尻尾」の状態で残っていました。
茶臼山の展望台からの絶景です。 八ヶ岳が「ぜーんぶ」見えます。 特に昨年夏に歩いた「赤岳」の残雪姿は迫力が有ります。 明日は手前の「中山」「東天狗岳」を越えて行きます。
茶臼山頂上 中小場展望台
茶臼山(2384m)の頂上は樹間にあり展望はなく、この標識柱が有るだけです。 茶臼岳から麦草峠に下って来る途中の中小場展望台(2232m)でポーズをとって記念撮影です。
中山頂上 高見石小屋
麦草峠まで戻り、車に置いていた宿泊用荷物をザックに詰め直して、約1時間の急坂を丸山(2330m)まで登ってきました。 本日宿泊する高見石小屋にやっと到着しました。荷物を置いて、小屋の背後にある高見石に登りに行きます。
白駒池
大きな岩石が積み重なった高見石のトップに立ち、感激の歓声を上げる同行者達です。 高見石からも360度の展望が得られ、眼下には氷結した白駒池が見えます。
猪鍋 自炊部屋での夕食
ゴールデンウィークの前半なのか本日の高見石小屋は「がらがら」です。夕食のみ自炊とし、麦草峠から担ぎ上げてきた食材で猪鍋のごちそうができました。広い自炊者用の部屋も他に2名の自炊者がおられただけで、ゆっくりと食事ができました。おかげでビール・ウィスキーの水割りを飲み過ぎて翌日は完全に2日酔いの状態になり大反省でした。
第2日目 (5月1日) 晴れ
高見石小屋を出発すると最初は緩やかな樹間の雪道となりますが、ほどなく相変わらずの一直線の急坂道が中山の肩まで続きます。あえぎながら肩まで登ると稜線は緩やかになり、中山展望台の少し手前から一気に展望が開けて思わず歓声が出ます。 写真には写し切れませんでしたが、中央アルプス・御岳・乗鞍・北アルプス全域が見渡せます。
中山の展望台で休憩し、展望を堪能します。 中山(2496m)も樹間にあり展望も有りませんが、中山峠方面に下ってくると、これから登る予定の天狗岳の相耳峰が間近に迫ってきました。
中央のとんがったピークを持つのが東天狗岳、右のお椀の様な姿の山が西天狗岳(2646m)です。縦走ルートは東天狗岳を通っており、西天狗岳へは20〜30分程度でいけるので、遠くから見た時は両方登りたいと思いますが東天狗岳への登りで疲れてしまい、たいてい西天狗岳へ行くのはあきらめてしまいます。実際西天狗岳に行かれている登山者はほとんどなく、この日もトレースは有りましたが、誰も行かれていませんでした。 中山峠から雪がたっぷり付いた急坂を上ってくると、日当たりがよくて雪が消えている平らな所にでました。まだまだ天狗岳への急坂が待っているので小休止です。眼下には「黒百合ヒュッテ」も見えています。
スリップに注意しながら雪の急坂を上り詰めると東天狗岳の頂上です。頂上には南側の夏沢峠方面からも登ってこられており、結構にぎわっていました。ここからは南八ヶ岳方面がグット近づき迫力のある景色を見せてくれます。
昨年の夏に歩いた南八ヶ岳の赤岳から硫黄岳が大迫力で目の前です。夏は色彩のある景色でしたが、雪を被ったモノトーンの景色も迫力のある美しい景色です。 これから手前の根石岳を越えて南八ヶ岳と北八ヶ岳の境界とされている夏沢峠を目指します。
根石山頂 根石山荘
東天狗岳からはほとんど雪が付いていなかったのでアイゼンを外して歩いてきましたが根石岳への登りには雪が付いており慎重に歩いて根石岳(2603)頂上に到着です。。 根石山荘は天狗岳と箕冠山に挟まれたカールに有ります。昼食時分になっていたので根石山荘のテラスで昼食にしたかったのですが、近づいてみるとテラスが有りません。小屋の人に中で昼食をさせてもらえないかと尋ねると、小屋開きの準備に忙しいにも関わらず快く内部での昼食をさせていただきました。感謝します。
夏沢峠 日本最標高の露天風呂
夏沢峠に到着です。ここからは稜線をはずれて宿泊予定の本沢温泉を目指します。 温泉が楽しみです。 本沢温泉にPM2:20頃に到着しました。受付を済ませ、長靴を借りて標高2150m(日本一)にある本沢温泉の露天風呂「雲上の湯」に! ここは小屋から5分程度登った沢沿いにあり囲いも脱衣場もない文字通りの露天風呂です。お湯は地面から直接沸いてきているようで湯のパイプ等も有りません。一人で入りに来たので写真撮りには苦労しました。
         
本沢温泉の露天風呂「雲上の湯」に入湯した記念のオーナー自筆のイラスト画の証明書をいただきました。
左のイラストは色っぽいですね!
露天風呂からの硫黄岳 本沢温泉小屋
本沢温泉の露天風呂「雲上の湯」に浸かった目線からの硫黄岳と爆裂火口跡の景色です。 お湯に浸かってこの景色を見れるのです。まさに至福の時になりました。 本沢温泉の雰囲気のある建物です。 5月の連休なので込み合っていると思い予約もしていたのですが、昨日の高見石小屋に引き続き「がらがら」状態で宿泊者は10人程度でした。
連休の前半の為らしく、翌日からは宿泊者が多くなるとの事でした。ここでは仲間とは別に私だけ自炊にし、同じく前泊の高見石小屋で自炊されていた東京からの2人組の方と自炊部屋で盛り上がりました。ただ、この自炊部屋は暖房がなく寒かったです。
本沢温泉 山神宮 本沢温泉 苔桃の湯
本沢温泉の守り神の「山神宮」 文政10年と書かれており、江戸時代からの守り神の様です。 本沢温泉の内湯「苔桃の湯」 なかなか雰囲気のあるお風呂です。ここは完全に源泉かけ流しの湯で常に新しい湯が湯船に注がれて、湯船からあふれ出でいます。 結局、ここには朝風呂も含めて3回も入ってしまいました。この日の女性宿泊者は同行の3名だけだったので女性風呂は貸し切り状態で、やはり3回入浴したそうです。
第3日目 (5月2日) 晴れ
中山峠分岐 しらびそ小屋
当初の予定は写真の「中山峠分岐」から中山峠に登り返し、中山・高見石小屋・白駒池経由で車を駐車している麦草峠に戻るつもりでしたが、本沢温泉の女将さんや、この地域の山に詳しい方に情報収集すると、中山峠手前は登りが相当きつく、雪も深い。ここを通過する頃には温度も上がり雪がゆるむので足が潜り歩きにくくなるとの事でした。 結局あきらめて稲子湯に下り、稲子湯からタクシーで白駒池に戻る軟弱コースに変更しました。 中山峠の分岐で休憩しているとピッケルを持った一団が中山峠を目指して登って行かれるのを見送り、分岐からわずかの「しらびそ小屋」に到着です。ここはみどり池の湖畔にあり、小屋前のベンチからはみどり池を前景に東天狗岳がよく見えます。この景色を見ながら、ここでコーヒータイムにしました。
みどり池からの天狗岳
しらびそ小屋のテラスから見える絶景です。背景はみどり池と東天狗岳
しらびそ小屋から1時間30分程度で稲子湯に下ってきました。タクシーの予約時間は余裕を持ってお願いしていたのですが、到着は予約時間の5分前になってしまい到着時にはタクシーは既に待っておられました。稲子湯でゆっくりする事もできず、高見石小屋と本沢温泉で懇意にしていただいた東京からの男性2人組とお別れし、タクシーに飛び乗って通称メルヘン街道を白駒池へ向かいました。
参考ですが、タクシー代は4700円でした。
なお、帰宅後に私のホームページの掲示板を確認すると、東京の男性2人組のおひとりから書き込みをしていただいていました。
ありがとうございました。
白駒池
白暇池の駐車場から白駒池までの遊歩道は凍っている所もあり、観光客は相当苦労されていました。登山靴でも注意しなければスッテンといきそうです。 何とか氷結した湖畔にたどり着き白駒荘前のテラスで昼食をとりました。昼食後は国道とほぼ平行に付けられた遊歩道を歩き、駐車している麦草峠に到着です。
3日間の山歩きは無事終了しました。
明治の湯
下山後の楽しみは温泉です。以前にも訪れて気に入っていた「明治の湯」に仲間を誘っていきました。 ここは奥蓼科温泉にある渓谷沿いの一軒宿です。(日帰り入浴 800円) 明治の湯の由来は明(あきらかに)治(なおる)の意味から付けられており、湯船のお湯を見ても効能が期待できそうな色をしています。ただ、ここは25℃の冷泉で少し加熱をしているそうです。
25℃の源泉湯船と加熱している写真の湯船に交互に入ると効能が良いそうですが、源泉は冷たく入るには勇気がいります。

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