南アルプス 塩見岳


南アルプスの塩見岳には2年前から登りたいと考えていたが、なかなか機会が得られず、やっと今回実現することが出来た。
今年は梅雨明けが遅れており、7月末にさしかかっても梅雨明け宣言の発表もなく、山行予定日の現地天気予報を見ると降水確率が70%の高い値を示す日々が続いていた。
ただ、何となく梅雨前線の勢いは弱まっており、消えてしまいそうな気配だったので、うまくいけば曇り程度の天候になると強引に予測して出発する事にした。
日程:2006年7月26日(夕方出発)〜7月29日(18:00着)
参加者:日野夫婦、他女性2名 
1日目登山データ
行程:鳥倉林道駐車場・・豊口山コース登山口・・・・・塩川コース分岐・・・三伏峠小屋・・烏帽子岳・・・三伏峠小屋(泊)
歩行距離:7.86km  累積標高差:1323m
昨日の夕方に姫路を出発し、途中、山陽自動車道で約1時間の停滞ロスが有ったが、鳥倉林道ゲート横の駐車場にはAM1:20頃に到着する事ができた。駐車場に止まっている車は4台しかなく閑散としているのは週の半ばもあるが、梅雨明けが遅れているのが原因と思われます。
とりあえずテントを張り、テント泊組と車泊組に分かれて朝まで仮眠を取りました。
本日の行程は短いので6時頃に起床したが、この時間帯になっても他に登山者は現れません。
駐車場脇には冷たく綺麗な沢水が流れ、その横に建つトイレも水洗となっており、登山者には喜ばれる環境です。
朝食と準備体操をすませ、AM7:00に出発。ゲート横にある登山者カードの届けも書き込みました。
駐車場横にある車止めのゲートをくぐり、豊口山コースの登山口まではさらに鳥倉林道を40分程度歩いて行くことになります。
天候もまずまずなので南アルプスの稜線を見ながらの林道歩きは、山に入る前の高揚した気分もあってあまり苦にはなりません。
ただし、帰りはつらかった。
豊口山コースの登山口にやっと到着。 ここからが本格的な山歩きとなります。
30分程度は森林帯の中をどんどん登っていきます。
この時点で結構汗をかかせて貰った。
途中で同行者の足の調子が悪くなり心配もされたが、無事に三伏峠に建つ三伏小屋に到着。まだ午前中ですが宿泊の手続きをし、部屋で疲れた体を休める事にしました。
自炊の昼食を取った後は、当初から計画していた三伏峠から1時間程度の烏帽子岳に登りにいきます。
午前中は晴れていたのですが、午後からはガスがかかってしまい烏帽子岳に登っても展望は得られないのではと、少し気分が落ち込み加減で出発。
三伏峠を5分程度下った所には広々としたお花畑があり、そこを過ぎても烏帽子岳迄の登山道周辺にはたくさんの高山植物が咲き乱れています。
残念ながら私にはシャクナゲしか名前がわかりません。
烏帽子岳に到着。
ガスがかかっており展望は全く有りません。天候さえ良ければ360°遮るものが無く、南アルプスの中心地である絶好の展望が得られるはずである。 この日、三伏峠小屋で同宿した2名の方は翌日に朝4時前に起きてこの烏帽子岳を目指し出かけられ、ここで1日写真を撮って過ごされるとの事でした。 28日の朝方は晴れていたので、きっと素晴らしい写真が撮れたと思われます
7月28日(金)
天候:晴れ後曇り
2日目登山データ
コース:三伏峠・・三伏山・・本谷山・・・塩見小屋・・・塩見岳西峰・・・塩見岳東峰・・・塩見小屋(泊)
歩行距離:7.2Km  累積標高差:812m
昨日登った烏帽子岳
早朝にこの山に写真を撮りに行かれた方は今も写真を撮られていると思われます
昨夜は山小屋の窓から満点の星が見えていたので、早朝に小屋の外に出てみると見事に晴れていました。
ただし、小屋のご主人からは、この天候は長続きしないので早く出発したほうが良いとアドバイスを頂きました。
本日は塩見小屋泊まりなのでゆっくり出発しても良いのだが、アドバイスに従いAM6:00に三伏峠小屋を出発しました。
小屋から20分程度登ったところが三伏山で、展望台になっていますが塩見岳の頂上近くは早くもガスが掛かりはじめてします。
三伏山から一旦下り、登り返すと本谷山に到着する。
ここも南アルプスの山々を見渡す展望台になっており、北の方面には仙丈岳や甲斐駒ヶ岳も姿を現しています。 ただ、稜線にはガスが掛かりはじめ空もどんよりとなってきた。
塩見新道との合流点での記念撮影です。
塩見岳への岩陵帯にもたくさんの高山植物が咲き乱れています。
AM9時30分頃には早くも塩見小屋に到着。
宿泊の手続きと、塩見小屋独特の環境に優しいトイレの説明を受ける。 一服後、身支度を整え、天候がさらに悪化しないうちに空身で塩見岳の頂上へ行く事にする。
塩見小屋からは森林限界を超え、しばらくはジグザクのガレ場を登って行くが、途中からは岩場の急斜面となり、両手両足で確保が必要な緊張した登山道になる。
塩見小屋までの登山道は北八ヶ岳の様なシラビソの樹林帯が多かったが、この辺りからとびっきりのアルペン的な登山道になってきた。
急峻な登山道を落石に注意しながら登っていく。 塩見岳から小屋に戻る途中で霧の中から3尾の雷鳥が現れた。
南アルプスで雷鳥に出会えるとは思っていなかった。
塩見岳は双耳峰になっており、西峰(3047m)に三角点が有ります。
西方から東峰へは5分程度で到着。標高は東峰の方が高く3052mある。
せっかく塩見岳の頂上に達したが、ガスに覆われ展望は全く利きません。右の写真は霧の中の東峰での記念撮影。写っている男性は三伏峠小屋でお会いし、塩見岳までの行程でもお互い前後になりながら親しくさせて頂いた千葉から来られたYさんです。
Yさんとは翌日の三伏峠まで前後しながら歩かせていただき、都度私たちの記念撮影に協力していただきました。
塩見岳の頂上からもどり小屋で休憩していると、にわかに天候が回復し、塩見岳西峰と天狗岩が揃って姿を現してくれました。
もともと今回の山行きでは雨を覚悟していただけに、この景色は神様の贈り物です。
回の私たちパーティのメンバーです。
この写真も千葉のYさんに撮して貰いました。
3日目登山データ
コース:塩見小屋・・・本谷山・・三伏峠・・・豊口山コース登山口・・・鳥倉林道駐車場===塩川温泉入湯==姫路
歩行距離:10.28Km  累積標高差:1627m(下り)
塩見岳からの帰りにも千葉のYさんと一緒になりました。この後、三伏山で写真を撮りに行かれるYさんとは最期のお別れになってしまいました。 Yさんありがとうございました。 三伏山からの蝙蝠岳。
名前の通り、蝙蝠がせ翼を広げた形をしています。塩見岳から往復出来る距離にあり、最近人気が出てきている山です。
本谷山からの下り途中で突然富士山が見えました。
今回の山歩きでは富士山も期待していましたが、これまで全く顔を出さなかったのであきらめていたのですが、突然で感動です。
三伏山での記念撮影。
背面は三伏峠と三伏小屋、遠方の山は小河内岳です。
3日間の山歩きが終わりました。天気予報では雨も覚悟が必要でしたが、結局は雨に降られる事もなく、まずまずの天候に恵まれました。
今回、南アルプス初見参のOさんも満足していただいたと思います。
下山後は楽しみにしていた塩川温泉の鹿塩館に行き、貸し切り状態の温泉に浸かって、ゆったりと疲れを癒すことができました。
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