黒部「下ノ廊下」 (2日目)


9月〜10月初旬にかけて天候が安定しなかったが、10月中旬になってやっと安定してきたので10年ほど前から訪れたかった黒部の「下ノ廊下」に挑戦してきた。
下ノ廊下のルートは冬期に積雪で破壊されるので、毎年整備を行い9月初旬から10月下旬までの1.5ヶ月間程度のみ通過出来る季節限定ルートです。
入山一日目はほぼ移動日になってしまうので、二日目にやっと下ノ廊下核心部を歩く事になった。

日:2016年10月12日
天候:晴れ(夕方一時小雨)
山歩きスタイル:日野家の山歩き+山仲間

全体図
 立山駅から入山し、アルペンルートを横断して黒部平へ   欅平下山後は宇奈月温泉駅から立山駅に戻った。 
 観光で有名なアルペンルートもトロッコ電車で有名な黒部渓谷鉄道も単なる移動手段に使ったのみです。観光地の交通機関を利用したので交通費が非常に高いのが痛い。


2日目概念図



2日目歩行データ

行程:ロッジくろよん・・黒部ダム・・内蔵助平分岐・・白竜峡・・十字峡・・半月峡・・S字峡・・仙人ダム・・阿曽原峠・・阿曽原温泉小屋

宿泊した「ロッジくろよん」をAM4:35分にスタート。 黒部湖の湖畔沿いを約25分歩いて黒部ダムの地下道に到着。前日にカレ谷への出口を下見していたのだが少し迷ってしまった。  やっと日電歩道(下ノ廊下)への標識発見
ダムからカレ谷まで200m程真っ暗な急坂を下って黒部川にかかる簡易橋を右岸に渡る。 まだ夜明け前で真っ暗です。 ルートの間近に落ちる小滝
、内蔵助平分岐方面に20分程度歩いた時点でやっと周囲が明るくなってきた。
滝の水しぶきがかかる程の間近を通過する。
この辺りは未だ危険個所もなく秋の気杯を感じながら歩ける。 黒部川に沿って
紅葉も少しだけ楽しめたが・・ 以後の紅葉は全くだめだった。
岩壁沿いの木道桟橋
いよいよ下ノ廊下核心部に突入です。 高度感満載の桟橋ルート
岩壁の割れ目に滝が流れる。この小滝を渡渉する同行者
こんな所が阿曽原温泉小屋までの約19kmずっと続くのです。
ドキドキ、ハラハラが楽しい瞬間です。
眼下に流れる黒部川に岩魚が泳いでいるのが見える程透明感の有る水流が流れている。 絶壁の桟橋
絶壁ルートには安全確保用の番線(針金)が設置されています。
番線を掴んで片足を桟橋から谷側に出して見ました。
同行者もこの景観に大満足の様です。
高度感のある絶壁桟橋 日電歩道を歩く
日電歩道は黒部ダム〜仙人ダム間16.6Km続いている。 阿曽原温泉小屋から欅平間は「水平歩道」と呼ばれており、日電歩道と水平歩道を合わせると約30kmもこのようなルートが続くのです。
岩場が削られた日電歩道の桟橋 
手作業?で岩場をコの字形に削ってルートが付けられている。
岩壁の桟橋ルート 黒部渓谷の景観を楽しんでいます。
丸太を組み合わせた連続梯子で絶壁を迂回 
連続梯子の登り
一段、一段慎重に です。
連続階段から見下ろす高度感のある黒部渓谷 
この支流をロープを頼りに渡渉する。
支流を渡渉した途端に岩壁をよじ登る  足場の悪い所もよじ登る
写真を見ただけで解る恐怖のルート 
でも楽しいのです。
黒部渓谷の激流
黒部渓谷の激流と日電歩道 
ここのトラバースは足場が悪く緊張した。
何故か同行者はスイスイと渡ってきたのです。
白竜峡の標識9:00
黒部ダムから9.3Km歩いてきたが+「ロッジくろよん」の2kmを足すと朝から4時間20分で11.5km歩いた事になる。
これでも、ほとんど休憩無しなのです。
絶景の黒部川下ノ廊下
黒部ダムを作るために手作業でこのルートを開拓された方に感謝です。
更に高度感の有る桟橋ルート 桟橋ルートで天然シャワーを浴びる
天然シャワールートを横断するる
念願の十字峡到着 10:10 剱沢→幻の剱大滝から流れてきた激流が十字峡で合流する。
十字峡に架かる吊り橋が楽しくて、十字峡の展望台に立ち寄るのを忘れていた。残念
この高度感 すごいですよ! 
谷底を覗き込み 岩壁ルート
こんな所をを通って
おいおい!そんな所に座るなよ。。。背中側は高度感の有る絶壁ですよ。 
作廊谷出合い
既に「ロッジくろよん」から16Km近く歩いてきた
作廊谷付近を歩く同行者
黒部渓谷の岩壁にほぼ水平に刻まれた日電歩道を歩かせてもらっている。
半月峡標識11:05
黒部ダムから欅平まで32Kmも絶壁の道が続くのです。
前夜に宿泊した「ロッジくろよん」からだとさらに+2.5kmほど歩かねばなりません。
S字峡標識11:08
S字峡
黒部川がS字に蛇行している所からの命名と思うが、同行者は「至る所でS字に蛇行している」と言っていた。
天然シャワーの洗礼
ルート上でこのような天然のシャワーを浴びなければならない所が数カ所有るのです。
ダイモンジソウ
あちこちで咲いていました。
東谷吊り橋
東谷吊り橋を渡る
この吊り橋は長くて良く揺れたので少し恐怖感が・・。 どうやら同行者が後ろでわざと揺らしていた様です。
東谷吊り橋を渡ると仙人ダムも間近になり、核心部も終盤です。
東谷吊り橋と黒四発電所
黒四ダムの水は地下水路を通って、この地下発電所で発電しているのです。
仙人ダムの対岸に見えるのは、裏剱へ続く「雲切新道」の垂直の長い梯子。 7年前に下りてきた事がある。
仙人ダムが見えてきた 仙人ダムの堰堤を渡る
堰堤のど真ん中で゜ロッジくろよん」特製朝食弁当を昼食として食べる。
ダムを渡った所から扉を開けて高熱隧道に入る。 此処も登山道の一部なのです。 高熱隧道から出て扉を閉める
関西電力「人見平宿舎」
こんな人里離れた所に立派な宿舎が・・・
住人は娯楽も一切無しの場所で年中発電や保守業務をされています。
阿曽原峠への登り返し
ほぼ20kmほど歩いて来た足に堪える登りです。
阿曽原温泉小屋 到着13:15
阿曽原温泉の野天風呂  男女1時間交代。  21km 8時間40分歩いた後の天然露天風呂は極楽です。
左の写真奥の隧道内は湿度の高い高熱で、まるで「蒸籠」に入った感じになる。ここから温泉湯が流れて来ています。
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